 |
第六話
|
でこぼこクーの一生
『嫌われ松子の一生』を本でも読んで映画でも観た。何だかどかんとやられて、そう、今日のようなこんな嵐の夜に一人部屋で読み終えたストーリー。いつだって愛する人の為、きらきら生きた愛しぬく女。強く、たくましく、美しい。疑うことをせず、まっすぐだった。とうてい私にはかなわない。しかし、松子ほど壮絶な人生模様でないにせよ
、映画を観た人からクーみたいだったと言われた。はて? …でも、なんだか思い当たるふしもあって、自分を振り返った。何がかぶるんだろう?
確かに私の人生もなかなかの波瀾万丈ではあり、「あ、終わったな」とそれまでの人生を感じた瞬間が何度かあった。14歳で家を飛び出してから、危険な橋を渡りかけたこともある(笑)。「生き抜く為に!」とコズルイ知恵で、邪悪な心に負けそうになったこともある(笑)。そんな時は決まって神様の天罰を頂き、こてんぱんに殴られたり、仕事を失ったり、罵られたり…エトセトラ。それでも今も頑丈に、毎日生きている。倒れた次の日にはケロッと立ち上がり、「ちくしょー!」とランニングに励んでいる。なかなかバイオハザードの敵のようにしぶとく…やはり神経が意外と図太いのか?
それは何故かといえば、私には歌うという使命があるからであり、自分が大嫌いになった時や病気の時こそ、弱くぶよぶよした心をやっつける為に走らなくてはいけない。修業のように、心を清めるように体と対話をして、大事なものを見極める健全な自分をとり戻すために走り抜くのだ。「自己愛が強い私は、誰かを自分と同じくらい愛せるのだろうか?」と時々怖くなる。
この間、ある占いで3つの大切なものを聞かれた。私は、歌、マラソン、自分と答えた。そして、「もう一つは?」と聞かれ、うーんと悩み、人と答えた。結果は最後の4つめが一番今大切にしたいものだった。人かあ…、確かに自分が好きだけど、人が好きだから聴いてほしくて歌を歌い、人に好きになってほしくて歌を作り、人が好きだから歌うことでみんなとコミュニケーションをはかりたいと願う。
「今に迷う一人一人の不安さに何かできることはないものか?」と考えながら、繋がりたくてメッセージを書き出す。これって、ちゃんと愛だよね? 松子のようにたった一人に一途に向かう愛でなくても、大きな愛の花咲かせたいと信じて貫くクーの夜の独り言でした。ちゃんちゃん。
|
 |